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キャリアのご機嫌伺う総務省

突然、降って湧いた総務省での「端末割引3万円」議論 ━━「最初から議論していれば、おかえしプログラムは不要説」

5月30日、総務省によるモバイル市場の競争環境に関する研究会(第13回)とICTサービス安心・安全研究会 消費者保護ルールの検証に関するWG(第11回)の合同会合が行われた。

今回は、キャリア4社やMVNOが参加し、各社からプレゼンが行われた。そこでは「端末割引はいくらまでが望ましいか」として、NTTドコモからは「上限3万円」、ソフトバンクからは「上限X万円」や「上限Y%」といった案が提示された。

ここで気になったのが、「なぜ、いまさらになって、端末割引の話をするのだ」という点だ。確かに今回の端末割引は「通信契約の継続を条件としないもの」となっているが、そんな話、もっと前からしておくべきではなかったか

この話題が議題として上がり、きちんと整理されていたら、NTTドコモはわざわざ「スマホおかえしプログラム」など入れる必要はなかったのではないか。最初から3万円を引いた状態で販売し、24回払いをさせてもいいし、24回払いが終わったところで、残債を値引き、端末を手元に残すというのも不可能ではない。

スマホおかえしプログラムに、さらに「端末割引上限3万円」なんてルールが付加されたら、それこそ「わかりにくい買い方」になりはしないか

本来、総務省は、日本の通信環境がどうあるべきか、将来像をデザインすべき立場なのではないか。しかし、この会合では「割引の上限はいくらが望ましいか」というセコイ議論しかできず、傍聴しているだけで頭が痛くなってくる。

ただ、ソフトバンクからのプレゼンは「ルールをきちんと決めてくれないと、競争によって我々は抜け穴を見つけ出し、暴走しかねない。だから、抜け穴となりそうなものを初めから教えるので、止めてくれないか」と言わんばかりだった。これもなんとも情けない

本来、各社が抜け道を探すという状況は、まさに「競争の激化」がもたらす効果なのではないか。キャリアが本来嫌がる仕組みは、そこに競争が発生し、キャリアに大きな負担が発生しているということだ。まさに、その負担は消費者にとってのメリットであり、なぜ、総務省は素直にキャリアのいうことを聞いて、あえて抜け穴を潰そうとするのか。

結局、いまの総務省は、キャリアの嫌がることを塞ごうとしている。それはキャリアに対する利益誘導に他ならない。果たして、総務省は誰のために会合を開いているのか。消費者不在の議論は、令和の時代も続いていきそうだ。






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